【ニュース・アメリカ】米国科学財団(NSF)、エネルギー省及びメキシコ国家科学技術会議と共に新たなガンマ線天体物理学施設「HAWC」を開所

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は、エネルギー省(Department of Energy)及びメキシコの国家科学技術会議(Consejo Nacional de Ciencia y Tecnologia:CONACYT)と共に、新たにガンマ線天体物理学施設「高高度水チェレンコフ天文台(High-Altitude Water Cherenkov Observatory:HAWC)」をメキシコ・プエブラ近郊に開所することを明らかにした。開設準備に6年間を要したHAWCは、非常に高エネルギーの電磁放射を検知する独自の能力を備えた施設で、世界中の他のガンマ線天文台を補完するものとなる。HAWCは、天文現象から放出される光を直接観測する光学望遠鏡や電波望遠鏡とは異なり、高エネルギー宇宙線やガンマ線を間接的に調査するものである。具体的には、宇宙線やガンマ線が地球の大気圏に進入する際に分子と衝突し、その結果として生じる連鎖反応により地球上に降下する分子が、約5万ガロンの超純水の入ったタンク300個から成るアレイの水を通過する際に放出する「チェレンコフ光(Cherenkov light)」を分析することにより、最初のガンマ線のタイミング、エネルギー、及び出所の方向などを再現する。HAWCの感度は、ニューメキシコ州ロスアラモスに所在したミラグロ実験施設(Milagro experiment)の10~15倍高感度となり、全天の3分の2を24時間ごとに継続して観測することになる。なお、HAWCの開所式典は、3月20日午後1時30分(米国東部夏時間)に現地にて開催される。

URL1: http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=134446&WT.mc_id=USNSF_51&WT.mc_ev=click

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アメリカ
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