米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）は、連邦規制機関に対し、近未来に米国で創出される多数且つ多様なバイオ技術新製品への対応準備の必要性を提言した報告書「将来のバイオ技術製品に向けての準備（Preparing for Future Products of Biotechnology）」を発表した。本報告書は、環境保護庁（Environmental Protection Agency：EPA）、食品医薬品局（Food and Drug Administration：FDA）、及び、農務省（Department of Agriculture）などを含むバイオ技術製品の規制に関与する連邦省庁に対し、成長が見込まれる主要分野における科学能力・ツール・専門性を増強すべきとしている。同報告書を作成した委員会のリチャード・マレー委員長（Richard Murray）は、今後5～10年間に導入されるバイオ技術製品の数及び多様性は大幅に増加し、成長に対応するための準備が必要とコメントしている。米国のバイオ技術経済は、規模、範囲、製品の複雑性がいずれも急速に成長しており、農作物などの一部の製品では「CRISPR」などといったゲノム編集技術を使用する可能性があると予測されている。当該省庁は、製品の熟知度や使用の複雑性に応じたリスク分析アプローチが必要と提言している。

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Academies Press：Preparing for Future Products of Biotechnology

2017年3月9日

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：Federal Regulatory Agencies Need to Prepare for Greater Quantity and Range of Biotechnology Products