米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）は、米国民の視覚障害の治療状況に関する報告書「眼の健康を全ての人々にとって必須の健康に～明日への展望～（Making Eye Health a Population Health Imperative: Vision for Tomorrow）」を発表した。

これによると、眼及び視覚の健康は重要であるにもかかわらず、多くの人々が視覚障害の診断や治療を受けておらず、健康に関する優先事項として取り扱われていない状況が継続されていることが明らかにされた。

本報告書は、40歳以上の米国人1億4,200万人以上が視覚的問題を抱えているが、820万～1,590万人が矯正・診断を受けておらず、その数は2050年までに2倍となる可能性があるとしている。同報告書は、視覚障害治療を改革し、2030年までに治療及び回避が可能な視覚障害を撲滅するよう呼び掛けており、早期診断及び質の高い治療への適切なアクセスを提供することにより、緩和・治療可能な視覚障害の増加傾向を改善し、関連コストの削減が可能となるとしている。同報告書を作成した委員会は、厚生長官に対し、米国民の視覚障害を削減するための措置を講じることを全米に呼びかけるべきであると提言している。また、疾病管理予防センター（Centers for Disease Control and Prevention：CDC）に対し、疫学的パターン、リスク要因、医療ケアパターン、視覚喪失に関連するコストなどの記録を向上させるために、眼及び視覚の健康の総合調査システムを開発すべきと提言している。

2016年9月15日

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
The National Academies Press：Making Eye Health a Population Health Imperative: Vision for Tomorrow

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：Up to 16 Million Americans Have Uncorrected Vision Impairment; Report Calls for Transformation in Population Health Efforts to Eliminate Correctable and Avoidable Vision Impairments by 2030