【ニュース・アメリカ】米国科学委員会(NSB)、連邦助成研究に対する過剰な規制により研究者が受ける弊害に関する報告書を発表

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)の政策方針を策定する米国科学委員会(National Science Board:NSB)は2014年5月1日、連邦助成研究に対する過剰な規制により研究者が受ける弊害に関する報告書「連邦助成研究における研究者の事務作業負担の減少(Reducing Investigators’ Administrative Workload for Federally Funded Research)」(URL1)を発表した。本報告書は、NSBが編成したタスクフォースが作成したもので、連邦助成研究を実施するにあたり、不必要な事務作業を増加させる要件に関する連邦助成受給研究者からの意見を分析したものである。これによると、財務管理、助成申請準備、報告、人材管理、学内倫理委員会(Institutional Review Board:IRB)及び学内動物飼育使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee:IACUC)などに関連する問題が浮かび上がった他、研究への応用が非効率的もしくは不適切な規制が存在し、さらに、監査及びコンプライアンス活動のために研究時間が削られ、過剰規制となっていることが明らかにされた。この現状を受けてNSBは、①申請要件を研究の利点を評価する上で必要なものに限定、②結果に重点を置いた報告、③給与証明の自動化、などを始め、動物実験の評価、利益相反、安全性・保安要件などに関する提案事項を同報告書で提示している。また、連邦省庁間で助成要件に一貫性がないことを指摘し、省庁やセクターを超えた要職者で構成される常設委員会を設置して、NSBなどが発表する提案事項に対応したり、研究者や研究機関に影響を与える新規要件の施行を標準化させたりする役割を与えることを提案している。

URL1: http://nsf.gov/pubs/2014/nsb1418/nsb1418.pdf
URL2: http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=131273&WT.mc_id=USNSF_51&WT.mc_ev=click

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価