【ニュース・アメリカ】米国学術研究会議(NRC)、学術界での化学研究における安全重視の必要性を提唱

米国アカデミー(National Academies)傘下の米国学術研究会議(National Research Council)は、学術界での化学研究における安全重視の必要性を提唱した報告書「安全な科学 ~学術化学研究における安全重視の文化普及促進~(Safe Science:Promoting a Culture of Safety in Academic Chemical Research)」(URL1)を発表した。本報告書は、研究者から主任研究員及び大学指導者に至るまで、全レベルにおける関係者が重要な役割を担っており、研究機関全体での安全に対する持続的コミットメントと、単に規則に従うだけでなく、問題の特定・解決を強調することの必要性を提唱している。さらに、大学における強力な安全重視文化の支援のために実行すべきステップを、以下の5つの主要グループごとにまとめている。

・学長、総長:安全に関する頻繁且つ公式な討議を通じて、安全が大学の基本的価値観であることを示す。具体的には、大学資金を使用した個人保護器具や危険廃棄物処理機器の購入や、総合的リスク管理計画の策定を実施する。

・研究担当副学長、学部長:大学では安全確保が可能な研究のみを実施するよう確認する。また、研究に関与する者全員に安全達成に向けた役割を認識させ、安全管理を研究管理全般に統合した報告システムを策定する。

・主任研究員、学科長:監督する研究室において、安全な実験の実証、個人保護器具の着用、研究者に対する適切な研修の実施、及び開かれたコミュニケーションを通して、強力且つポジティブな安全重視の文化を確立する。

・研究者:安全委員会への関与や、自主的な研究室点検の実施などリーダー的役割を果たすことにより、勤務する研究室において安全重視の文化を支援する。

URL1: http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=18706
URL2: http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=18706

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究