【ニュース・アメリカ】米国大学における成績評定の暴騰、4年制大学では継続するもコミュニティカレッジではピークを超えた模様

デューク大学(Duke University)元教授のスチュアート・ロジスタチャー氏(Stuart Rojstaczer)とファーマン大学(Furman University)教授のクリストファー・ヒーリー氏(Christopher Healy)は2016年3月29日、米国大学において「A」評定が最も一般的な成績になるという成績の暴騰(インフレ)に関するデータ「米国大学における成績評定の暴騰(Grade Inflation at American Colleges and Universities)」を発表した。本データによると、近年の米国大学における成績評定の暴騰を受けて、プリンストン大学(Princeton University)及びウェルスレー大学(Wellesley College)の教員らが、成績評定の暴騰を抑制するための討議を行うなどといった努力を続けてきたにもかかわらず、この現象は継続されていることが明らかにされた。主要な結果は以下の通り。

  • 4年制大学における成績平均点(Grade point average:GPA)は、過去30年間に亘り、10年につき0.1ポイントの割合で上昇。
  • 4年制大学でも2年制大学でも「A」評定を受ける学生が42%と最も多く、4年制大学では「A」評定を受ける学生の割合が10年につき5~6%増加し、1960年代と比較すると「A」評定を受ける確率は約3倍。
  • 近年、4年制大学で「D」及び「F」評定を受ける学生の割合はほとんど変化がない一方で、「A」評定を受ける学生の割合増加を受けて「B」及び「C」評定を受ける学生の割合が低下。
  • コミュニティカレッジにおける成績の暴騰はピークを超えた模様。
  • コミュニティカレッジで「D」及び「F」評定を受ける学生の割合は近年やや増加。また、「A」評定を受ける学生の割合は約36%と最多であるものの、近年やや減少傾向。

なお、本データは以下より閲覧可能。
Grade Inflation at American Colleges and Universities

 

Inside Higher ED:Grade Inflation, Higher and Higher

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
統計、データ 統計・データ