【ニュース・アメリカ】米国大学と海外大学との共同・二重学位プログラムには多数の課題が存在

米国教育協議会(American Council on Education:ACE)は、米国大学と海外大学が実施する国際共同・二重学位プログラムに関する報告書「国際共同・二重学位のマッピング ~米国プログラムの概要と見解(Mapping International Joint and Dual Degrees:U.S. Program Profiles and Perspectives)」(URL1)を発表した。本報告書は、ACE調査に回答した米国大学134校からのデータに基づくもので、うち89校から共同・二重学位プログラムに関する詳細情報が得られたという。同報告書は、共同・二重学位プログラムはカリキュラムの国際化を実現するメカニズムとされることが多い一方で、現実は異なるとしている。例えば、これらのプログラムは、米国大学への留学生を勧誘する目的で利用されることが多く、共同・二重学位プログラムの63%には外国人学生のみが在籍し、外国人学生と米国人学生の両方が在籍するプログラムは34%、米国人学生のみが在籍するプログラムは4%という。また、海外大学に進学する米国人学生数が全般的に低い中、同プログラムにおいても同様の傾向が継続すると見られており、海外の大学で学ぶ米国人学生数増加が理想ではあるものの、現実的ではないと考えられている。さらには、単位認定過程に関する問題は、共同単位プログラムの67%、二重単位プログラムの41%が直面すると回答している他、学問の自由に関しては、全体では78%の大学が問題ないと回答しているのに対し、中国でプログラムを実施する大学では、33%が問題ありと回答している。なお、これらのプログラムの提携国の1位は中国で、フランス、トルコ、ドイツ、韓国と続いており、専攻分野では、ビジネスもしくは物理・自然科学分野のプログラムが全体の約60%を占めている。

URL1: http://www.acenet.edu/news-room/Documents/Mapping-International-Joint-and-Dual-Degrees.pdf
URL2: https://www.insidehighered.com/news/2014/11/12/new-report-highlights-challenges-establishing-international-joint-or-dual-degree

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
統計、データ 統計・データ