【ニュース・アメリカ】米国人の大学学位取得者数、全般的に増加するもののペースは遅く、人種間格差には変化なし

ルミナ財団(Lumina Foundation)は2015年4月9日、2013年の米国人の大学進学・学位取得状況などを調査した年次報告書「高等教育を通したより強力な国家(A Stronger Nation through Higher Education)」(URL1)を発表した。これによると、高等教育学位取得者数は全体的に増加した点では評価できるものの、その増加率は芳しくなく、学位取得者数大幅増のための対策を講じない限り、米国での雇用の65%が何らかの高等教育を必要としたものになると言われている2010年代終わりまでに、人材不足に陥る可能性があるという。具体的な調査結果は以下の通り。

・労働者世代(25~64歳)の米国人で、2年制または4年制大学卒の学位保有者は全体の40%で、2012年の39.4%からは微増に留まり、2025年までに米国成人の60%が質の高い高等教育が有為を取得するという目標「ゴール2025(Goal 2025)」の達成には不十分なペース。

・人種別でみると、上記世代の高等教育学位保有者の割合は、アジア系60.1%、白人44.5%であるのに対し、アフリカ系28.1%、米国先住民23.9%、ヒスパニック系20.3%で、いずれも前年比1%前後増であるものの人種間格差には変化なし。

・若年成人(25~34歳)の高等教育学位保有者の割合の増加率は、成人全体の増加率よりも急速。

・2013年の大学卒業者数は前年から増加したものの、入学者数は前年比約60万人減。

これらの調査結果に基づき、ルミナ財団は、①大学中退者の削減、②労働者世代の約22%を占める「大学に入学したが学位を取得していない」層の学位取得を奨励、③修了証・資格取得などといった「学位取得」以外の成果を評価、などの対策を提案している。

URL1: http://www.luminafoundation.org/files/publications/A_stronger_nation_through_higher_education-2015.pdf
URL2: http://www.luminafoundation.org/news-and-events/stronger-nation-2015?home=1

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ