米国高等教育に関する情報サイト「クロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション(The Chronicle of Higher Education)」は2016年3月11日、米国私立大学から教育省への提出が毎年義務付けられている監査済み財務諸表に基づいて教育省が公表する財務責任総合スコア(Financial Responsibility Composite Score)に関し、私立大学1,889校の2013~14学年度の総合スコアを分析したデータを発表した。これによると、学位を付与する私立大学159校が財務責任上問題があるとの判定になり、前学年度から1校増加したことが明らかになった。これら159校の内訳は、非営利大学93校、営利大学66校であったが、前学年度は問題ありと判定された158校中108校が非営利大学であった。同総合スコアの判定では、大学の支払準備率(primary reserve ratio)、自己資本比率(equity ratio)、及び、純所得率(net income ratio)の3つを検証・評価して、各大学にマイナス1点~3点までの得点を付けるが、得点が1.5点未満の大学は財務責任上問題があると判定される。問題ありと判定された大学は、教育省による監督強化や信用状の掲載などといった措置が取られる場合がある。このような問題ありと判定された大学の中では、近年、連邦政府による監督が強化されているITT教育サービス社(ITT Educational Services Inc.)が運営する営利大学が特に目立っている。
なお、財務責任総合スコアに関する詳細は以下より閲覧可能。
Federal Student Aid:Financial Responsibility Composite Scores
The Chronicle of Higher Education:159 Private Colleges Fail Education Dept.’s Financial-Responsibility Test