【ニュース・アメリカ】産業界から資金提供を受けた大学発明がイノベーション促進に貢献

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)の社会・行動・経済科学局(Directorate for Social, Behavioral&Economic Sciences:SBE)からの助成により、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の農業資源経済学教授であるブライアン・ライト氏(Brian Wright)らが行った、カリフォルニア大学システムで過去20年間に実施された研究記録の分析結果をまとめた論文「技術転換 ~産業界からの資金提供による学術発明がイノベーションを促進~(Technology transfer:Industry-funded academic inventions boost innovation)」(URL1)が、2014年3月19日付のネイチャー誌に掲載された。本論文は、カリフォルニア大学システムに属する大学9校と関連国立研究所3機関において、1990年から2005年までに発表された発明1万2,516件と、これらの発明に関連する1990年から2010年までのライセンス活動の分析を行ったところ、このうち約1,500件が少なくとも部分的に民間企業から資金提供を受けたものであったという。同分析の結果、技術領域を問わず、産業界から資金提供を受けた発明の方が、連邦助成を受給したものと比較して、より頻繁に特許権及びライセンスを付与されていたことが明らかにされた。また、後続の特許権申請の際に引用される回数も、民間企業から資金提供を受けた発明が平均12.8回であるのに対し、連邦助成を受けた発明は同5.6回で、民間企業が資金提供をした発明の方が参照される頻度も高いことが判明した。さらに、知的財産データの分析結果も、独占ライセンス権を取得した発明は民間企業から資金提供を受けたものでは74%、連邦助成を受給したものでは76%となっており、企業は自社の利益のためだけに資金提供をしている訳ではないと分析している。

URL1: http://www.nature.com/news/technology-transfer-industry-funded-academic-inventions-boost-innovation-1.14874
URL2: http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=130814&WT.mc_id=USNSF_51&WT.mc_ev=click

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 産学官連携