【ニュース・アメリカ】教育省発表の「十分な収入の得られる就職」データから、低収入分野のプログラム修了者の大半は営利大学提供プログラムに参加と判明

 
教育省(Department of Education)は2016年11月17日、「十分な収入の得られる就職(gainful employment:GE)」規則の下で、大学が提供する職業訓練プログラム修了者の年収に関するデータを発表した。
 
本データは、2008年~2012年に当該職業訓練プログラムに参加した修了者の2014年の収入情報を反映したもので、大学3,693校が提供するプログラム2万8,817件に参加した修了者134万人のデータが含まれている。
 
これによると、修了者数が最も多いのは医療アシスタント養成プログラム、2番目に多いのは美容師養成プログラムであるが、美容師養成プログラム修了者の年収中央値は1万4,130ドルで、修了者の91%は営利大学が提供するプログラムを修了しているという。
 
また、調理師養成プログラム修了者の年収中央値は1万8,829ドルで、修了者の89%は営利大学影響プログラムの修了者であった。これに対し、年収の最も高い分野である准看護師免許取得プログラム修了者の年収中央値は3万3,835ドルで、修了者の65%はコミュニティカレッジなど公立大学が提供するプログラムに参加したことが明らかにされた。
 
この結果に対し、職業教育大学協会(Career Education Colleges and Universities)会長兼CEOのスティーブ・ガンダーソン氏(Steve Gunderson)は、全く異なる専攻分野のプログラムを比較した根拠のない結果であると反論した。また、セトンホール大学(Seton Hall University)助教のロバート・ケルチェン氏(Robert Kelchen)は、年収平均が1万8,000ドル前後のプログラム修了者は、収入に基づく返済プランを利用すると学資ローン返済に充てられる金額は非常に少ないと考えられ、大学に課せられた「十分な収入の得られる就職」という点に関しては、負債額と収入の割合の値が非常に悪くなるとコメントしている。
 
但し、次期大統領にドナルド・トランプ氏(Donald Trump)が当選したため、「十分な収入の得られる就職」規則を含め、オバマ政権下で制定された規則の多くが撤廃される可能性がある。

 

Inside Higher ED:New Federal Earnings Data

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