政府説明責任局（Government Accountability Office：GAO）は2015年7月23日、再生医療分野への連邦省庁の関与を検証した報告書「再生医療　～新興分野における連邦政府による投資、情報共有、及び課題～（Regenerative Medicine: Federal Investment, Information Sharing, and Challenges in an Evolving Field）」（URL1）を発表した。本報告書は、①再生医療分野研究を実施もしくは同研究に資金提供する連邦省庁とその投資状況、②同研究に関与する省庁から他省庁への情報共有手段、③再生医療分野の振興における課題、をまとめたものである。①に関しては、2012～2014年度に約28億9,000万ドルが再生医療分野に投入されたが、そのうちの約88％は国立衛生研究所（National Institutes of Health）が拠出しており、その他、国防総省（Department of Defense）、退役軍人省（Department of Veterans Affairs）、米国科学財団（National Science Foundation）、食品医薬品局（Food and Drug Administration）、米国核安全保障局（National Nuclear Security Administration：NNSA）、及び、米国標準技術研究所（National Institute of Standards and Technology）を含む合計7省庁が同分野での研究に関与している。また、②に関しては、省庁間作業部会、共同出資研究、及び共催ワークショップなどを通して、省庁間で情報を共有している。一方、③に関しては、連邦省庁と非政府ステークホルダーとの間での効果的な協力構築、再生医療分野に精通した科学者の連邦職員としての採用、規則の見直し及び製品認可手続きの指導、及び、新規認可製品に対する高齢者医療保険（Medicare）の適用・返金率・システム・手順の決定などが挙げられている。

URL1: http://www.gao.gov/assets/680/670930.pdf
URL2: http://www.gao.gov/products/GAO-15-553