【ニュース・アメリカ】成績優秀な大学生、少額の学資援助減額による退学率が成績の低い学生よりも高い

教育機関を支援するEAB社は2016年11月1日、大学3校の2年生以上の学生約4万人を対象として実施した、学資援助額の変化と学生の在籍率に関する調査の分析結果を発表した。これによると、成績平均点(grade point average:GPA)3.0以上の学生の学資援助が1,000~1,500ドル減額された場合、退学する確率が成績の低い学生よりも2.5ポイント高いことが明らかにされた。これは、学資援助が減額された場合、授業料の支払が不可能となるケースと、大学に行く価値に学生が疑問を抱くケースがあると分析されている。また、成績の如何に関わらず、学資援助が減額された学生は、学資援助額に変化のなかった学生と比較すると退学する確率が高くなっており、具体的には、1,500~2,000ドルの減額により3ポイント、4,000ドルの減額により4.5ポイント、1万ドルの減額により19ポイント、退学する確率が高くなることが明らかにされた。また、シアトル大学(Seattle University、ワシントン州)で行われたパイロットプログラムで、成績優秀な学生及び財政的援助の必要性の高い学生に対して返済不要な奨学金1,000~3,000ドルを更に付与した結果、財政的援助の必要な学生の在籍率が5ポイント上昇したことが明らかにされた。同大学の在籍保持イニシアティブ(university retention initiative)ディレクターのジョシュ・クラウシック氏(Josh Krawczyk)は、在籍2年目以降の学生に対して戦略的に奨学金を付与することは、在籍保持に顕著な影響を与えるとコメントしている。

 

PR Newswire:Top College Students Who Lose Small Amounts of Financial Aid More Likely to Drop Out

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