【ニュース・アメリカ】就職後の性別による収入格差、大学における専攻分野の違いが影響

企業評価ウェブサイトを運営するグラスドア社(Glassdoor)は2017年4月19日、大学における専攻分野と性別による収入格差との関係を調査した報告書「パイプラインの問題~大学専攻分野が性別による収入格差に及ぼす影響~(The Pipeline Problem:How College Majors Contribute to the Gender Pay Gap)」を発表した。本報告書は、グラスドアのウェブサイトで共有された履歴書4万6,900件超のデータを使用して、性別による大学専攻分野の違いが就職後の収入格差にどのように転換されるかを検証している。
これによると、例えば2014年の学士号取得者の57%は女性であったにもかかわらず、建設管理学士号取得者全体に女性が占める割合は9%である反面、作業療法学士号取得者では全体の89%が女性であるなど、専攻分野によって男女比に大きな差があり、このことがキャリア初期の段階で既に性別による収入格差に繋がっていることが明らかにされた。主な結果は以下の通り。

  • 高給職に繋がる技術・工学関連の専攻分野の多くは男子学生が占める割合が高い一方で、給与の低い職業に繋がる社会科学・教養学関連の専攻分野の多くは女子学生が占める割合が高く、男性が高給職に就く傾向が高くなる。
  • 男子学生が占める割合の高い専攻分野は、機械工学(男子学生89%)、土木工学(同83%)、物理学(同81%)、コンピュータ科学工学(同74%)、電気工学(同74%)など。
  • 女子学生が占める割合の高い専攻分野は、ソーシャルワーク(女子学生85%)、医療ケア管理(同84%)、人類学(同80%)、看護学(同80%)、人事(同80%)など。
  • 最も高い給与の職業に繋がる専攻分野10分野のうち、9分野において男子学生が占める割合が高いのに対し、最も低い給与の職業に繋がる専攻分野10分野のうち、6分野において女子学生が占める割合が高い。
  • 同一専攻分野内においても性別による収入格差があり、最も一般的な専攻分野50分野において、就職後5年間での性別による収入格差は平均11.5%。

glassdoor:The Pipeline Problem:How College Majors Contribute to the Gender Pay Gap (報告書PDFあり)

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 学生の就職