【ニュース・アメリカ】女子学生が専攻をSTEM分野から他分野に変更する背景には、環境・専攻分野に関する認識・成績などが複雑に関係

ジョージタウン大学(Georgetown University、ワシントンDC)公共政策学部教授のアドリアナ・カグラー(Adriana D. Kugler)氏らは、女子学生が専攻をSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)分野から他分野に変更する原因を検証した研究報告書「専攻の選択~女子学生は男子学生と本当に異なるのか?~(Choice of Majors:Are Women Really Different from Men?)」を作成し、同報告書を全米経済研究所(National Bureau of Economic Research:NBER)のワーキングペーパーとして発表した。

 

本研究は、米国東海岸に所在する大規模私立大学の2009年~2016年のデータを利用して学期毎に成績と専攻の変化を分析したもので、女子学生が専攻をSTEM分野から他分野に変更する原因は、環境、専攻分野に関する認識、成績などを含む要因が複雑に絡み合っていると結論づけている。カグラー氏は、成績が低いというネガティブなフィードバックは、性別を問わず学生に影響を与えるにもかかわらず、成績が低いことを理由に専攻を変更する女子学生が男子学生よりも多いという傾向は、STEM分野以外の男子学生数が圧倒的に多い分野では見られないことから、STEM分野に関する考え方及び認識が付加的要因になっているとしている。過去の研究では、女子学生は高校卒業時の準備度が低い、もしくは、STEM分野の女性教員数を増やして女性によるメンタリングを提供すれば好影響が得られる、などの結論が出ていたが、本研究ではこれらを支持しておらず、学生募集及びメンタリング時において、STEM分野は男性のものという考えが強調されている可能性があると指摘している。

 

2017年8月29日

 

Inside Higher ED:Why Female Students Leave STEM

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育