【ニュース・アメリカ】大学構内における白人至上主義者による活動、過去に例を見ないほど活発化

反ユダヤ主義及びその他の偏見を監視する名誉棄損防止組合(Anti-Defamation League:ADL)は2017年3月6日、報告書「大学構内における白人至上主義者~過去に例のない動員活動が進行中~(White Supremacists on Campus:Unprecedented Recruitment Efforts Underway)」を発表した。

 

これによると、白人至上主義者による活動は、主に外部団体によって注目を集めたり学生から賛同を得たりすることを目的として行われており、3月7日の時点で2016~2017学年度に大学構内で行われた同活動は107件で、白人国粋主義者グループによるリーフレットやポスターなどが中心であったことが明らかにされた。このうちの65件は2017年に発生している。また、報告された活動は、虚偽の報道ではないことの確認が取れたもので、各事例には写真や大学による報告などといった証拠が付記され、場所ごとに分類されている。

 

2016年に発生した事件の1つは、白人至上主義者が大学のプリンターに不法侵入(ハッキング)し、ナチス支持のリーフレットを大量に印刷させた事例で、2017年に入ってからも同様の事件が続いているという。また、白人至上主義団体「国家政策研究所(National Policy Institute)」リーダーのリチャード・スペンサー氏(Richard B. Spencer)が2016年12月にテキサスA&M大学(Texas A&M University)で講演を行い、会場付近で大規模な反対活動が行われたという例もある。さらには、これらのグループによる活動が活発化した理由に関しては、2016年の大統領選挙の結果が引き金になったと分析している。

 

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
Anti-Defamation League:White Supremacists on Campus:Unprecedented Recruitment Efforts Underway

 

2017年3月7日

 

Inside Higher ED:‘Unprecedented’ White Supremacist Activity

 

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