【ニュース・アメリカ】大学の授業が将来の職業にとって重要且つ有益であることの論理的根拠、教員からよりも学生仲間から提示される方が効果的

ミシガン州立大学(Michigan State University)教育心理学准教授のキャリー・ロゼス氏(Cary Roseth)は、大学オンライン講座受講者を対象に実施した、学生仲間及び教員によって提示される論理的根拠が学生の成績に及ぼす影響に関する実験結果を分析した論文「学生仲間及び教員による論理的根拠がオンライン講座受講学生の動機付け及び成績に及ぼす影響(Effects of peer and instructor rationales on online students’ motivation and achievement)」を「国際教育研究ジャーナル(International Journal of Educational Research)」誌に発表した。同実験は、ミシガン州立大学で提供され、教員養成課程在籍学生には必修科目となっている初級レベルの教育心理学講座をオンラインで受講する学生を対象とし、同講座が将来教員を目指す学生にとって重要且つ有益であるとの論理的根拠を、①学生仲間から提示されるグループ、②講座担当教員から提示されるグループ、③提示されないグループの3つに無作為に分類して行われたが、学生仲間と教員が提示する論理的根拠は台本として作成されたもので、全く同じ内容であった。その結果、これら3つのグループの学生の学年末の成績は、①のグループが100点満点で平均92点、②のグループが86点、③のグループが90点であった。ロゼス氏は、この結果を受けて、講座担当教員から論理的根拠を提示することは学生の動機付けを低下させる原因となり、論理的根拠は学生仲間から提示させる方が効果的であると結論付けている。

 

2017年3月21日

 

MSU TODAY:Peers, more than teachers, inspire us to learn

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究