【ニュース・アメリカ】大学における授業料割引、大半は学生増に繋がるものの一部では正味授業料収入が減少

アイオワ州立大学(Iowa State University)教育学助教のアン・ガンスマー・トプフ(Ann M. Gansemer-Topf)氏とシンプソン大学(Simpson College、アイオワ州)学生部長のルーク・ベハーネック(Luke Behaunek)氏は、米国大学が学生募集の手段として導入する授業料割引に関する研究を行った結果、多くの大学で顕著な配当を提供できるほどに入学者数が増加した一方で、一部の大学では、正味授業料収入が減少していることが明らかになった。
両氏は、学士号を付与する小規模私立4年制大学約450校からの授業料割引に関する2003年~2012年のデータを分析した結果、新入生の少なくとも95%に学内奨学金を支給した大学の割合は、10年間で35%から58%に増加し、授業料・手数料を学資援助という形で返金した大学の割合は、同期間で31.7%から36.4%に増加したことが判明した。また、同論文は、授業料割引は、大学がマイノリティ及び低所得層学生を受け入れる努力を弱体化させる可能性があるとし、これは、授業料割引により、大学が授業料高騰を抑えるためのプレッシャーを感じにくくなるためとしている。それ以外の主な研究結果は以下の通り。

  • 当該期間における授業料・手数料総収入の増加額平均は1,220万ドルで、年間平均増加率は3.2%。但し、収入の61%は授業料割引のために使われるため、正味授業料収入増加額は470万ドルで、年間平均増加率は2.3%。
  • 非常に大幅な授業料割引を行った大学の約10%では、学生1人あたりの正味授業料収入が減少。

 

2017年4月28日

 

The Chronicle of Higher Education:Is Tuition Discounting Leading Some Colleges Off a Cliff?

地域 北米
アメリカ
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