教育省(Department of Education)が出資する研究機関のエデュケーション・ノースウエスト(Education Northwest)は、アラスカ大学(University of Alaska)における学生のリメディアルクラス受講状況を調査した報告書『アラスカ大学におけるリメディアル教育と大学進学準備度(Developmental education and college readiness at the University of Alaska)』を発表した。
これによると、アラスカ大学が新入生のクラス分けのために使用した、標準試験のSAT及びACTと同大学独自のクラス分け試験は、学生が大学レベルの数学及び英語の授業における成績を予測する手段として十分な役割を果たしておらず、学生の高校での成績平均点(GPA)に基づいてクラス分けを行った方が的確なクラス分けができることが判明したとしている。
同大学の新入生のうち、数学では約半数、英語では約3分の1が、リメディアルクラスを受講しているといい、大学単位の取得ができないにもかかわらず授業料を支払うことになり、学生の経済的負担の増長に繋がっている。
米国大学の大半では、クラス分け試験に基づいてリメディアル授業の受講者を特定しており、基準の異なる高校時代のGPAに基づくことは不公平と考えられているが、報告書執筆者は、GPAからは試験で判断することのできない学習習慣などといった重要な非認知能力を知ることができると主張している。
また、2008年~2012年にアラスカ大学にフルタイムで在籍した学生の記録を分析した結果、高校でGPA 3.0の学生は、GPA 2.0の学生と比較して、大学レベルの授業に合格する確率が少なくとも25ポイント高いという顕著な違いが見られる一方で、大学入学標準試験やクラス分け試験の結果と大学レベルの授業での成績との間にはほとんど相関関係が見られなかったとしている。
さらには、リメディアル授業の受講を進められたものの、直接大学レベルの授業を受講した学生のうち、60%は受講した授業に合格していることが明らかにされた。
なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
Developmental education and college readiness at the University of Alaska[PDF:497.5KB]
U.S. News&World Report:Study: Colleges Put Students Into Remedial Classes Who Don’t Need Them