【ニュース・アメリカ】国立衛生研究所(NIH)所長諮問委員会、若手臨床医科学者輩出促進の必要性を提言

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の所長諮問委員会(Advisory Committee to the Director:ACD)が編成した作業部会は2014年6月6日、臨床医科学者の需要と供給に関する報告書「臨床医科学者人材作業部会報告書(Physician-Scientist Workforce Working Group Report)」(URL1)を発表した。これによると、現在、NIHでは主任研究員の約32%が臨床医科学者で、合計約9,000人の臨床医科学者が勤務しているという。また、米国医師会(American Medical Association:AMA)が実施した調査からは、研究を行う医師の人数は、2012年は約1万3,700人で、2003年から約5.5%減少していることが判明している。さらに、同AMA調査結果とNIHのデータによると、過去10年間に臨床医科学者の年齢層の割合に大きな変化があり、NIHから助成を受給した主任研究員の中で60~70歳代の研究者の割合が非常に大きくなり、60歳未満の研究者の割合が減少していることが明らかになったという。これを受けて、同報告書では、臨床医科学者は高齢者層で支えられているとし、若手臨床医科学者をより多く輩出しない限り、深刻な人材不足に陥ると警鐘を鳴らしている。その他、臨床医科学者の研修プログラムを強化し、若手臨床医科学者からの提案書に重点を置く他、研修助成と研究支援の2段階で助成を受給することが可能な「K99/R00」助成において臨床医科学者のカテゴリを新設することを提案している。

URL1: http://acd.od.nih.gov/reports/PSW_Report_ACD_06042014.pdf
URL2: http://news.sciencemag.org/biology/2014/06/nih-report-warns-looming-shortage-physician-scientists

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 研究者の雇用、教員の養成・確保