国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）コモンファンド（Common Fund）は、NIH傘下の研究所・センターが、単体では取り組むことのできない研究分野に対する触媒的支援を提供するために、科学分野4分野においてプロジェクトを立ち上げるために総額5,400万ドル超を助成することを明らかにした。これらの分野は、①糖質科学プログラム（Glycoscience Program）、②4次元核子プログラム（4D Nucleome Program）、③ガブリエラ・ミラー・キッズ・ファースト研究プログラム（Gabriella Miller Kids First Research Program）、④行動変容の科学プログラム（Science of Behavior Change Program）、の4つである。これらの分野は、研究の進歩を妨げる課題、及び、健康・疾病に関する考え方や予防・治療へのアプローチを転換する新興科学分野として、NIHコモンファンドが特定した分野で、5～10年以内に研究成果が現れると予測されている。①では、複合糖類が付着したたんぱく質・脂質を研究する研究チーム23組に総額約1,000万ドルの助成が支給される。また、②では、近年の技術の進歩を利用して、遺伝子制御に関する考え方を転換するもので、研究チーム29組に対して総額約2,500万ドルが支給される。一方、③では、先天性欠損症及び小児がんの根底にある遺伝経路を特定するためのデータ・リソースを小児科研究コミュニティのために開発するもので、ワシントン大学セントルイス校（Washington University, St. Louis、ミズーリ州）を含む研究機関2組織に対し、それぞれ630万ドルが支給される。最後に、④では、行動変容研究のために、メカニズムを重視した実験的医学アプローチを実行するもので、研究チーム9組に対して総額約700万ドルを支給する。

URL1: http://www.nih.gov/news/health/oct2015/od-05.htm