【ニュース・アメリカ】国立衛生研究所、同長官諮問委員会が提示した革新的な先端神経科学技術を通じた脳研究イニシアティブの今後の展望を受諾

2014年6月5日、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のフランシス・コリンズ(Francis S. Collins)長官は、NIH長官諮問委員会(NIH’s Advisory Committee to the Director:ACD)から提示された「革新的な先端神経科学技術を通じた脳研究(Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies:BRAIN)」イニシアティブの今後12年間に亘る展望に関する報告書「BRAIN 2025 ~科学的展望~(BRAIN 2025:A Scientific Vision)」(URL1)にある提案事項を受諾した。ACDのBRAIN作業部会が作成した本報告書は、2016年から10年間に亘って45億ドルを拠出するという継続的誓約に基づく同イニシアティブの展望の詳細を提示している。同報告書は、優先的科学目標として、①健康・疾病時における役割を特定するために、異なる種類の脳細胞の特定と実験アクセスの提供、②シナプスから脳全体への神経回路図を様々な分解能で作成、③神経活動の大規模監視法の開発・応用による、機能している脳の動画作成、④神経回路のダイナミクスを変更する精密な介入ツールを用いた脳活動と行動の関連付け、⑤新たな理論・データ分析ツールの開発を通じて、精神機能の生物学的基本を理解するための概念的基礎の構築、⑥ヒトの脳とその生涯治療法を理解するためのイノベーティブな技術の開発と、総合的脳研究ネットワークの設立・支援、⑦健康・疾病時において、神経活動の動的パターンがどのように認識・感情・知覚・行動に転換されるかを発見するために、他の目標達成を進める中で生まれた新技術と概念的アプローチの統合、の7点を挙げている。これらの目標達成のための年間拠出額は、2016~2020年度は最高4億ドル、2020~2025年度は5億ドルとしている。なお、同作業部会は、BRAINイニシアティブのための予算はNIHの既存予算に追加して拠出されるものとすべきことを強調している。

URL1: http://www.nih.gov/science/brain/2025/
URL2: http://www.nih.gov/news/health/jun2014/od-05.htm

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アメリカ
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