国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)傘下の国立ヒトゲノム研究所(National Human Genome Research Institute:NHGRI)は、心疾患・糖尿病・脳卒中・自閉症などといった一般的な疾患に対するゲノムの影響を研究するためにゲノム解析を利用するプログラムとして「一般的疾患ゲノミクスセンター(Centers for Common Disease Genomics:CCDG)」を立ち上げた。
また、NHGRIは、CCDGを補完するプログラムとして、嚢胞性線維症や筋ジストロフィーなどといった、遺伝により発症する希少な疾患のゲノム基盤に関する研究を継続する「メンデル・ゲノミクスセンター(Centers for Mendelian Genomics:CMG)」も発表した。CCDGでは、一般的疾患研究におけるゲノム解析をより広範に利用できるアプローチの開発に向けて、特定の疾患グループを検証する予定である。
この他、国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute:NHLBI)がCCDGとCMGの両方を支援し、国立眼病研究所(National Eye Institute:NEI)がCMGを支援することが明らかにされている。CCDGに選出された研究機関は、4年間に亘り6,000万ドルを受給するワシントン大学セントルイス校(Washington University in St. Louis、ミズーリ州)を含む4機関で、NHGRIから4年間に亘り総額約2億4,000万ドル、NHLBIから総額2,000万ドルがそれぞれ助成される。
一方、CMGに選出された研究機関は、4年間に亘り1,200万ドルを受給するイェール大学(Yale University、コネチカット州)を含む4機関で、NHGRIから4年間に亘り総額4,000万ドル、NHLBIから総額800万ドル、NEIから総額100万ドルがそれぞれ助成される。この他、ゲノム解析プログラム(Genome Sequencing Program:GSP)調整センターとしてラトガー大学(Rutgers University、ニュージャージー州)が採択されており、NHGRIから4年間に亘り400万ドルが助成される予定である。
National Institutes of Health:NIH genome sequencing program targets the genomic bases of common, rare disease