【ニュース・アメリカ】南カリフォルニア大学(USC)デルファイ・プロジェクト、大学教員制度の現状と課題に関する調査報告書を発表

南カリフォルニア大学(University of Southern California:USC)の「変化する教員及び学生の成功に関するデルファイ・プロジェクト(Delphi Project on the Changing Faculty and Student Success)」は2015年2月20日、米国大学における教員制度の現状と課題に関する調査報告書「意図的な適応 ~大学の計画的未来を確保する教員の役割創出と教員の仕事の定義づけ(Adapting by Design:Creating Faculty Roles and Defining Faculty Work to Ensure an Intentional Future for Colleges and Universities)」(URL1)を発表した。同報告書は、授業を非常勤教員に依存する大学の現状と、教員のキャリア構築に対する関心の欠如を指摘し、この問題に対処するための有意義且つ協力的な協議の実施を強く要請するものである。また、非常勤教員に対する大学からの支援の欠如により、非常勤教員及び、その授業を受講する学生が損害を被るだけでなく、テニュアトラックの教員数の減少が原因で、テニュアトラックの教員における授業以外の業務負担が過大となるなど、高等教育全体の脅威となっていることを指摘している。同報告書では、インディアナ大学(Indiana University)とパデュー大学(Purdue University、インディアナ州)が提携し、両大学でパートタイム教員職を兼任させることで実質のフルタイム職として、より高給与での採用を行っている例などを紹介しながら、テニュア制度を含めた教員制度自体の見直しや、大学内だけでなく、高等教育関連協会などを通した全米レベルでの協議の必要性を提言している。

URL1: https://www.insidehighered.com/sites/default/server_files/files/DELPHI%20PROJECT_ADAPTINGBYDESIGN_EMBARGOED%20%281%29.pdf
URL2: https://www.insidehighered.com/news/2015/02/20/new-delphi-project-report-outlines-evolving-faculty-models-and-growing-support

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 教員の養成・確保