元国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）長官のハロルド・バーマス（Harold Varmus）氏及びエリアス・ザーホウニ（Elias Zerhouni）氏を含む科学・政策専門家12人は、新政権に対する提案事項を提示した報告書「NIHの展望と進路～新政権への提案事項～（A Vision and Pathway for NIH：Recommendations for the New Administration）」を2016年11月14日に発表した。

本報告書は、次期大統領に選出されたドナルド・トランプ（Donald Trump）氏が、大統領就任後の最初の100日間におけるNIHの円滑な運営と、NIH長官選出に向けた提案事項を提示している。同報告書は、NIHが基礎研究を重視し、NIHの助成は特定の研究プロジェクトに基づくのではなく研究者の研究実績に基づくものとすることを強く要請している。また、ピアレビューを行う委員の拡大や、NIH内部の研究者を支援する助成プログラムなどに関する提案事項も含まれている。なお、現時点では、トランプ政権移行チームからNIHへの連絡はまだないが、現NIH長官を務めるフランシス・コリンズ（Francis Collins）氏の進退は明らかにされていないものの退任する可能性が高く、NIH科学・アウトリーチ・政策担当副長官のキャシー・ハドソン（Kathy Hudson）氏は、2016年12月16日付でNIHを退職することが既に決定している。

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
National Institutes of Health：A Vision and Pathway for NIH：Recommendations for the New Administration［PDF:568.7KB］

2016年11月16日

Science：Biomedical research leaders urge Trump administration to quickly appoint an NIH director