【ニュース・アメリカ】デボス教育長官、教育省幹部職員9人を採用

教育省(Department of Education)のベッツィー・デボス長官(Betsy DeVos)は2017年4月12日、幹部職員9人を採用したことを発表した。教育次官上級顧問兼教育次官代行に指名されたジェームズ・マニング氏(James Manning)は、2016年11月にトランプ新政権の教育省立ち上げチーム(“beachhead” team)の主導者とされており、カーター政権下で連邦学資援助担当最高執行責任者代行などを務めた経歴を持つ。マニング氏は、次官代行として、デボス氏に次ぐ地位の幹部職員となる。消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau)元学資ローンオンブズマンのロヒト・チョプラ氏(Rohit Chopra)は、マニング氏に関し、経験豊富で公正な人物と評価している。また、長官付上級顧問に採用されたロブ・アイテル氏(Rob Eitel)は、デボス氏の特別補佐官を務めるために、営利大学チェーンのブリッジポイント・エデュケーション社(Bridgepoint Education Inc.)を休職中であることが報道された賛否両論のある起用で、学資ローン利用者保護や十分な収入のある雇用などに関する教育省の規則に対して影響を与える可能性がある。さらには、教育省公民権局(Office for Civil Rights)担当次官補代理としてキャンディス・ジャクソン氏(Candice Jackson)が指名されたことに関しては、ジャクソン氏がトランプ大統領による性的嫌がらせ及び暴行被害を訴えた女性たちのことを「偽の被害者」と呼んだことから、性的暴行事件被害者の擁護者らの間では懸念が広がっている。具体的に、性的暴行問題の活動家で、全米大学競技協会(National Collegiate Athletic Association:NCAA)の大学構内性的暴力撲滅委員会(Commission to Combat Campus Sexual Violence)委員のブレンダ・トレーシー氏(Brenda Tracy)は、ジャクソン氏の指名を受け、高等教育法第9条(Title IX)の保護への支持に関して足元をすくわれ、顔を平手打ちされたように感じるとコメントし、政府からの支援がないことを知らされ失望したと不快感を表明している。

 

なお、今回採用された9人のリストは、以下より閲覧可能。
Department of Education:U.S. Secretary of Education Announces Chief of Staff and Additional Staff Hires

 

2017年4月13日

 

Inside Higher ED:The(Temporary?) U.S. Education Team

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事