米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2016年2月29日、ダートマス大学(Dartmouth College)所属の研究者らが、家庭用医療技術デバイスの情報セキュリティ問題から、データの改ざん・盗難やハッキングなどの原因となる危険性があるという現状を受け、家庭における医療ケアを向上させ、個人データ盗難を防止する「ワンダ(Wanda)」と呼ばれる魔法のつえ(magic wand)のようなデジタル・システムを開発したことを明らかにした。本研究は、NSFが助成する患者の保護と医療データの機密性維持を目的としたプロジェクト「信頼性ある健康(Trustworthy Health and Wellness:THaW)」の一環として実施されたもので、5年間に亘り1,000万ドルの助成をNSFから受給している。「ワンダ」は、自宅や診療所のWi-Fiネットワークに新たなデバイスを追加しやすくする、2本のアンテナが搭載された小型ハードウェアで、電波強度を通信チャンネルとして使用する。なお、同研究結果をまとめた論文は、4月にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される電気電子エンジニア研究所(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)のコンピュータ通信国際会議(International Conference on Computer Communications:INFOCOM)において発表される予定である。
National Science Foundation:Security with the wave of a wand