【ニュース・アメリカ】コミュニティカレッジ学生、3分の2が食料不安、半数が住居不安を抱える

ウィスコンシンホープ研究所(Wisconsin HOPE Lab)とコミュニティカレッジ理事協会(Association of Community College Trustees)は2017年3月15日、コミュニティカレッジ学生が直面する飢餓及びホームレス問題に関する報告書「大学における飢餓とホームレス(Hungry and Homeless in College)」を発表した。本報告書は、全米24州の2年制大学70校の学生3万3,000人超を対象とした調査結果を分析したもので、これによると、約3分の2の学生は食料不安、約半数の学生が住居不安を抱えており、3分の1の学生は常に食料が不十分で、14%の学生がホームレスであることが判明した。テンプル大学(Temple University、ペンシルバニア州)高等教育政策・社会学教授でウィスコンシンホープ研究所創設者のサラ・ゴールドリック・ラブ氏(Sara Goldrick-Rab)氏は、食料・住居不安を抱える学生の3分の1は学資援助を受け働きながら大学に通う学生で、過去に行われた食料・住居不安の学生に関する調査は、問題を抱えた学生数を低く見積もっていると指摘している。また、同調査に参加した学生の28%には子どもがおり、このうち63%は食料不安、14%がホームレスであるが、保育補助を受けている学生は5%のみであることが明らかにされている。このような状況を受け、コミュニティカレッジの中には、クヤホガ・コミュニティカレッジ(Cuyahoga Community College、オハイオ州)のように、大学の学資援助室と公的補助サービスへのアクセスを統合している大学もあるという。高等教育・経済成功センター(Center for Postsecondary and Economic Success)で上級政策アナリストを務めるエイミー・エレン・デューク・ベンフィールド氏(Amy Ellen Duke-Benfield)は、学術面だけでなく、食料や住居などの問題は大学卒業率に影響を与える問題で、大学はこれらの学生を支援するための対策を講じるべきとコメントしている。

 

Inside Higher ED:Hungry and Unable to Complete(報告書PDFあり)

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
その他 その他