オバマ大統領は2014年10月27日、米国の先端製造業の強化、イノベーションの促進、及び米国における雇用創出と投資誘致の継続を目的とした、新たな行政行動計画を発表した。本計画は、大統領科学技術諮問委員会（President’s Council of Advisors in Science and Technology：PCAST）の作業部会である先進製造業パートナーシップ運営委員会（Advanced Manufacturing Partnership (AMP) Steering Committee）がとりまとめた最終報告書「米国先進製造業の促進（Accelerating U.S. Advanced Manufacturing）」（URL1）において米国における製造業を支援する上で重要な3本柱として提案されている、①イノベーションの実現、②能力ある人材を輩出する仕組み（talent pipeline）の確保、③ビジネス環境の改善、の3点に合致した内容となっている。今回発表された新規行政行動計画は以下の通りである。

(1)イノベーションの実現
・米国競争力にとって重要な最新製造技術である、複合材料及びバイオベースのマテリアルを含む先端マテリアル、製造業のための先端センサー、及びデジタル製造の3つの技術に対し、国防総省（Department of Defense）、エネルギー省（Department of Energy）、農務省（Department of Agriculture）、及び米航空宇宙局（National Aeronautics and Space Administration：NASA）から3億ドル超を助成

・米国科学財団（National Science Foundation：NSF）、エネルギー省、及びNASAが、製造業者と大学研究者に対して連邦研究施設へのアクセスを提供

(2)能力ある人材を輩出する仕組みの確保
・労働省（Department of Labor）による助成総額1億ドルの米国見習い制度助成コンペ（American Apprenticeships Grant Competition）の立ち上げ

(3)ビジネス環境の改善
・中小製造業者による新技術導入と新製品の市場参入を支援するために、商務省（Department of Commerce）の製造業拡大パートナーシップ（Manufacturing Extension Partnership）の下で新規ツールの構築及び5年間に亘る助成総額1億3,000万ドルのコンペ実施

URL1: http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/microsites/ostp/PCAST/amp20_report_final.pdf
URL2: http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/10/27/fact-sheet-president-obama-announces-new-actions-further-strengthen-us-m