【ニュース・アメリカ】エデュケーション・トラスト、大学の質と連邦学資援助とを関連付ける独自の計画を提案

非営利教育団体のエデュケーション・トラスト(The Education Trust)は、大学教育の実態に関する報告書「厳しい愛 ~大学の質に関する最低基準~(Tough Love:Bottom-Line Quality Standards for Colleges)」(URL1)を発表した。本報告書によると、全米で60万人以上の学生が、入学後6年以内の卒業率が15%未満という低卒業率の4年制大学や、卒業生の約30%が十分な収入が得られる就職ができないために学資ローンの返済が不可能という学位を濫発する大学に在学しているという。このような現状を受け、エデュケーション・トラストは、オバマ政権が進めようとする大学格付けと連邦学資援助とを関連付ける計画とは別に、全大学が有するべき最低基準を定める独自の計画を提案した。同団体が提案する計画では、①新入生の17%以上が低所得層の学生を対象とした助成金であるペル・グラント(Pell Grant)受給者、②新入生の6年以内の卒業率が15%以上、③卒業生の学資ローン返済率ランキングが上位95%以上、の3点を大学の質の最低基準とし、これらの基準を満たさない大学に対しては改善のための猶予期間を設定している。提案されたそれぞれの猶予期間と改善されない場合の制裁措置は、①は、猶予期間3年以内に改善されなければ、税制優遇及び助成金の特典を喪失、②は、猶予期間4年以内に改善されなければ、税制優遇及び助成金の特典に加え、連邦学資援助受給資格を喪失、③は、猶予期間は未定であるが最低3年とし、期間内に改善されなければ②と同じ制裁措置を講じることとなっている。

URL1: http://www.edtrust.org/sites/edtrust.org/files/ToughLove.pdf
URL2: http://www.edtrust.org/dc/press-room/news/ed-trust-calls-for-linking-student-aid-and-tax-benefits-to-college-access-success

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
統計、データ 統計・データ