【ニュース・アメリカ】アパラチア州立大学教授ら、大学卒業率向上のためにはリメディアル教育において学術面以外の改善が必要と指摘

アパラチア州立大学(Appalachian State University、ノースカロライナ州)教授で、同大学傘下機関である米国リメディアル教育センター(National Center for Developmental Education)ディレクターのハンター・ボイラン氏(Hunter R. Boylan)らは2017年3月1日、財団や政府が掲げる大学卒業率の目標達成に向けた現状を検証した報告書「大学卒業~フィニッシュラインの重視~(College Completion-Focus on the Finish Line)」を発表した。米国の大学卒業率に関しては、ルミナ財団(Lumina Foundation)が、2025年までに米国人の60%が質の高い学位・修了証を取得すること、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill&Melinda Gates Foundation)が、大学学位を取得する低所得層学生数の倍増、そして、オバマ政権が、2020年までに学位保有者の割合で米国が世界一となることなどを目標として掲げている。本報告書は、これらの目標達成に向けて進められている様々なアプローチを検証した結果、リメディアル教育改革において、学術面以外の要素の検証に更なる時間を費やす必要があると指摘している。その中で、同報告書は、ニューヨーク市立大学(City University of New York:CUNY)が提供する、大学1年生対象の充実した包括的支援であるASAP(Accelerated Study in Associate Programs)プログラムや、基本技能の指導と職業訓練を統合したアイ・ベスト(I-Best)プログラムなどを称賛している。その一方で、リメディアル授業は手早く簡単な解決策を重視し過ぎるため、準備不十分な学生に複雑な問題をもたらすことになると批判している。

 

The Chronicle of Higher Education:Remedial-Education Reform May Fall Short Without More Focus on Nonacademic Support(報告書PDFあり)

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育