【ニュース・ドイツ】ドイツ研究振興協会(DFG)が研究不正行為に対する懲戒事例を発表

ドイツ研究振興協会(DFG)の協議会は、2016年12月8日にボンで行われた会議において、DFGの科学的不正に関する懲戒規定の手続きにのっとって、2つの懲戒処分を科すことを決定した。いずれの事例においても、協議会はDFGの研究不正行為に関する申し立て委員会の勧告に従った。
最初の事例は、ブレーメン大学で雇用され2014年にDFGのハイゼンベルク教授称号を授与された薬理学者メドラー教授による研究不正行為である。彼女の一連の論文に関する研究不正の申し立てがなされ、2015年3月より調査が開始された。当時ブレーメン大学においても不正に関する調査が行われていたため、DFGは調査およびハイゼンベルク教授称号に関連した各手続きを延期し、2016年9月に大学の調査が完了したのちDFGにおいて手続きが再開された。なお、大学ではメドラー氏が繰り返し過失と義務違反を行っていたと学長によって報告された。
DFGの委員会は、この不正データを提示した責任はワーキンググループのリーダー的役割を果たしており論文の著者でもあるメドラー氏にあるとした。委員会の見解では、メドラー氏が個人的に不正データを提示したという証拠はない。むしろ委員会は、メドラー氏のワーキンググループに所属する他の著者がこの図の再利用に対する責任を持っていると結論付けている。しかしながら、委員会はメドラー氏が自身の研究スタッフに対する監督責任を果たさず、共同責任と取らざるを得ない、またDFGの手続き規定に基づく研究不正手続きを行わざるを得ない状況にあるという結論に達した。
DFGの手続き規定に則った適切な措置として、調査委員会は協議会に対し、2014年にメドラー氏に対し授与したハイゼンベルク教授称号を撤回することを勧告し、協議会はこの勧告に従うことを決定した。
「監督責任や組織の任務遂行能力における誤りや欠如をふまえると、メドラー氏はハイゼンベルク教授称号を授与される要件を満たしていない。ハイゼンベルク教授というのは、キャリアにおける節目の称号と認識されており、DFGにより毎年数名のみに授与されるものである。この制度はプロジェクトに対して助成するのではなく、厳格な基準にのっとって個人に対して授与されるものであり、受賞者が誰であるかということを重要視している。メドラー氏はもはやその要件を満たしておらず、そのため今日ではハイゼンベルク教授称号を授与されるものではない」と、DFGの事務総長であり、また研究不正疑惑に関する調査委員会の委員長でもあるツヴォネク氏はこのように述べた。しかし、委員会はメドラー氏に対し、外部資金への申請資格は引き続き保持されるべきであるとの考えから、資格停止や将来的な制約が検討されることはなかった。
第二の決定として、協議会は他の著者に対し書面にて懲戒処分を行った。今回は、DFGの助成を受けて最近発表された論文のレビューにおいて、過去に発表された研究と同一の数字が論文に含まれていることが問題視された。慎重な調査と本人および彼女のワーキンググループのリーダーと専門家の主張に基づいて、DFGの調査委員会は、提出された不正データが用いられた論文は責任著者として彼女の名前が記載されている事実がある以上、この研究者に責任があるという結論に達した。委員会は、不正データを個人として提示したという証拠は見つけられなかった。しかし、責任著者として誤った図が使用されているということには気付けたはずである。

 

2016年12月9日

 

DFG:Scientific Misconduct: Decisions in Two DFG Cases

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