【ニュース・タイ】教育関連機関がタイの教育制度改善のポイントを提案

タイの独立教育機関は、国民に対し国際調査の指摘に従うよう求めた。その調査においてタイの生徒のスコアは世界的に低く、不安を引き起こし、教育システム全体の刷新要請が出された。

 

タイ国立科学技術振興研究所(IPST)の所長は「学習到達度調査(PISA)から改善が必要でかつ達成可能な領域があることを示す思わしくない報告があった。」と述べた。

 

IPSTの最新の報告書の「PISAのスコアは我々に何を語っているのか?」と題された記事には、「バンコクの生徒のスコアは、実はアメリカの生徒のスコアと類似しているが、それ以外の地域の生徒は低スコアだった」と述べられている。

 

これは、バンコクの学校の教育モデルが成功していることを示している一方で、そのモデルがタイのその他の地域には展開されていないことを示唆している。この教育モデルが広まれば、生徒の質は確実に向上するとも同記事は述べている。

 

調査により、裕福な生徒のいる学校と比較すると、経済的、社会的に裕福ではない生徒のいる学校では、教員や教材も劣っているということが示されている。

 

これらの資源の不公平な配分は、教育的不公平のもとであり、生徒の成績全般に影響を及ぼしてきた。

 

同記事では、「フィンランドのような国々での成功事例を引き合いに出しており、経済的、社会的に劣る学校は、経済的、社会的優越性のある学校と同等もしくはそれ以上の資源を持っている。」、「教員の質を改善するために、タイは他国の事例から学ぶべきである。教育は単に生徒、教員、カリキュラムに関することだけではなく、環境、社会、文化に関することでもある。」と書かれている。

 

同記事はまた、人々に指導の様々な側面を考慮するよう求めている。その側面には次のようなものがある。

 

他国は同様の資格を持つ他の職業と比較して、教員にどのように報酬を支払っているのか。学位証書あるいは卒業証書は、求人時にどのように比較されているか。親は自分の子供たちに先生になってほしいと考えているか。メディアや国民が教育に対してどの程度注目しているか。社会はアスリート(競技者)の勝利と学術的競争者たちの勝利、どちらを優先させるのか。親は子供たちに一生懸命勉強するよう求めるのか。

 

「もしこれらの質問に対し前向きな回答が得られれば、タイの教育の全面的見直しは、それほど時間を要さないだろう。」との記述もある。
同記事ではまた、経済協力開発機構(OECD)及びピアソン・エデュケーション社による最終調査所見に言及し、政策立案者に対し5つの重要な教訓を提案している。

 

●特効薬はない
学校をお金で解決しようとしてもほとんど成果を出せないし、教育制度に対する個人的な変化は、学校自身にはほとんど役に立たない。改善を成し遂げるため、教育には長期的で首尾一貫性があり、そして制度全体への集中的な配慮が必要である。

 

●教員に敬意を払う
質の高い教育には優秀な教員が必要不可欠である。そのような教員を見つけ出し、雇用することは、必ずしも高い給与の問題ではない。それよりもむしろ、教員は巨大な教育マシンの中にいる技術屋としてではなく、有益な職業として扱われる必要がある。

 

●文化は変えられる
教育制度を取り囲む文化的な想定や価値観は、教育制度を支援するか、あるいは弱体化させるよう大きく作用する。この文化の積極的要因を活用し、必要に応じて否定的要因を変えようとすることは、成果促進にとって重要である。

 

●親は教育上の障害でも救い手でもない
親は自分の子供たちに良い教育を受けてもらいたい。変化に対する親の圧力は、敵意の現れとしてではなく、展望に対する適切なものとして見なされるべきである。親の提供するものや選択に万能薬の性質はない。教育制度が親に情報を与え、親と協同するよう取り組むべきである。

 

●現在ではなく将来のための教育
教育制度は、今日の生徒が将来どのようなスキルを求めているかを考え、それに応じて指導する必要がある。

 

同記事はまた、「そのような質の高い教育はバンコクにのみ存在しているが、タイの教育は他国と同じくらい優れたものになる可能性がある。」と述べている。したがって、その質の高い教育がほかの地域にも広がれば、より高等な学術的成果を収めることができる。

 

今回のPISAのスコアによって、教員の質、資源、教育的公平・正当性のようなタイの教育における改善されるべき弱点が指摘され、さらに、優れた成果を収めるため多くの要因を検討、調整する必要がある。

 

(2016年12月23日 The Nation紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育