【ニュース・イギリス】英国政府、£1,500万を新しい工学系高等教育機関に投資

2017年10月26日、Jo Johnson大学・科学担当大臣は質の高い工学コースの提供に特化した新しい高等教育機関に£1,500万(約23億円)を投資することを発表した。
次世代テクノロジー&エンジニアリング高等機関(NMiTE:New Model in Technology&Engineering)は、近年技術者の需要が急激に伸びている高度製造業、AI、サイバーセキュリティーの分野など、最先端工学分野について学ぶ大学になることを目指している。

 

NMiTEは最初の入学者を2020年9月に受け入れ、次世代エンジニアの育成のために革新的な手法を採用することとしているほか、2年間短期集中コースで学位取得も目指す。ユニークな手法として;

  • 講義ではなく実践ベースの学習プロジェクト。授業は教授と実務従事者により進められる。
  • 教育課程は事業主と共に開発する。卒業前に半年から1年の実務経験を必修とする。
  • 50:50のジェンダーバランス目標達成に向け、女子学生の受け入れを促進し女性の工学系卒業者数を増やす。
  • 多様性と社会的流動性を支えるため、奨学金受給者が学生全体の25%となることを目標とする。
  • 見習いとして業務に従事したことで高い技能を身に付けた者や軍隊除隊者等、工学系の学問のバックグラウンドを持たない者の積極的受け入れ。

工学系の卒業生数は近年急激に落ち込んでおり需要に供給が遠く及んでいない。非営利団体エンジニアリングUK(Engineering UK)の試算によると、年間20,000人の技術者が足りないとしている。
今回の投資は教授陣、キャンパス整備、カリキュラム開発に充てられ、NMiTEは多くのエンジニアや専門家を社会に送り出し、現在の社会における技能熟練者不足の解消に役立つことになる。

 

本計画は、生活水準を向上させ、生産性を上げることで経済成長につなげ、国全体の成長を促すという、政府の「産業戦略」の一環に基づくものである。新高等機関開設に当たっては、ワーウィック大学(The University of Warwick)とQinetiQやHeinekenなどの事業主がカリキュラム開発に協力し、卒業後即雇用市場で実践できる人材の育成を目的とする。

 

今回の取り組みは、質の高い教育機関が高等教育のマーケットに参入しやすくすることで高等教育の質と競争を高めることを目的として制定された、2017年の高等教育研究法に基づいて行われるものである。
政府は既に、若者が将来高賃金の高技術職につくための訓練が受けられるよう、£5億(約750億円)以上を投資する技術教育改革に取り組んでいる。

 

*£1を150円にて換算

 

GOV.UK:Multi-million pound funding for new Higher Education provider

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