【ニュース・イギリス】英国政府、重点のライフサイエンス分野に£1,700万を投資

2017年10月25日、英国財務省は国民保健サービス(NHS:National Health Service)と病気治療に役立つライフサイエンス分野に関する投資を発表した。これらの資金は政府の意欲的な産業戦略の一環で、新薬開発とメンタルヘルス治療支援、最新の研究開発技術を臨床研究に転換させるものである。

 

ライフサイエンス産業は毎年6千万人の患者に対して医療を提供しており、英国経済における重要な産業でもある。5,000社以上で約23万5千人が雇用されており、£635億(約9兆5千億円)の売上高を生み出している。
財務大臣Philip Hammond氏は1,250人の科学者と250人のスタッフが新薬開発と将来の治療への応用に向け、最先端のバイオメディカル研究に取り組んでいる欧州最大のバイオメディカル機関で、政府から£3,500万(約53億円)の投資を受けたフランシスクリック・インスティテュート(The Francis Crick Institute)を訪問し投資発表をした。

 

£1,700万(約26億円)の投資は以下の3つの新分野に対して行われる。

1. 低温電子顕微鏡:£500万(約7億5千万円)を、生体成分の3Dモデル作成のための最新の顕微鏡開発に充てる。これにより新薬の開発がより早く廉価にできるようになる。
2. イノベーションハブ:£700万(約10億5千万円)を最新設備整備と研究者のための新しいラボ設立に充てる。このラボはエンジニアリング生物学、計測学および標準のための英国センターとしてイギリス国立物理学研究所(NPL:National Physical Laboratory)、国立生物学的製剤研究所(NIBSC:National Institute for Biological Standards and Control)とその他企業の共同研究の場として設立される。
3. ビジネス促進:£500万(約7億5千万円)を、医学研究会議の“Confidence in Concept”(応用可能な基盤研究への支援プロジェクト)の商業化プロジェクトの拡大としてメンタルヘルス治療の促進に充てる。

 

また、フランシスクリック、キングスカレッジ(King’s College London)、キャンサーリサーチUK(Cancer Research UK)によって設立された英国企業、“GammaDelta Therapeutics” が25の新たな職を公募した。同社は今年はじめに新薬開発のため£1億(約150億円)の投資を受けている。

 

英国民は世界の総人口のたった0.9%を占めるのみであるが、英国はライフサイエンスの分野では世界を先導している。世界で最も引用される論文の15.2%を占め、この分野における研究の生産性は米国の2倍であり、ドイツの約3倍である。英国南東部(オックスフォード、ケンブリッジ、ロンドン含む)は世界的に有名なライフサイエンスクラスターとなっている。これらには世界大学ランキングのトップ20に入る4大学(うち3大学はトップ10)と、メディカルサイエンス分野において世界ランキングでトップ10に入る4つの学科と世界で最大の研究機関が含まれている。政府は、毎年£20億(約3千億円)を追加支出し、支援していくこととしている。

 

*£1を150円にて換算

 

GOV.UK:£17 million boost to the UK’s leading life sciences sector

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