【ニュース・イギリス】産学連携共同研究に関する報告書(Dowling Review)に対する政府の回答

2016年12月20日、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS: Department for Business, Energy and Industrial Strategy)は、王立工学協会(Royal Academy of Engineering)会長のDame Ann Dowling 教授による産学連携共同研究に関する報告書“Dowling Review of Business-University Research Collaborations”に対する回答を公表した。

 

この報告書は政府の委託を受け、同教授が2015年7月に取りまとめたもので、産学連携は研究への投資を社会経済に最大限還元する上で重要であるとした上で、イノベーションのための複雑すぎる現行の支援策を単純化すること、産学官での知識や人の交流を促進する枠組みを作ることなどを勧告していた。

 

本回答において政府は、技術移転をはじめとする産学連携を支援するため、今後4年間で£1億を措置するなど、Ann 教授の勧告はすでに政府の政策に大きく影響しており、新設するUKリサーチ・インベストメント(UKRI: UK Research and Investment)や秋期財政報告書で示された新たな予算等も活用しながら、引き続き勧告に応えていくとしている。

 
 
GOV.UK:Response to the Dowling Review of business-university research collaborations[PDF:307KB]

 

【関係機関の反応】

 

○王立工学協会(Royal Academy of Engineering)
同協会会長で、本報告を取りまとめたDame Ann Dowling 教授は “産学連携を進めるに当たり、企業や大学だけでなく、政府の後押しと関与が重要なことは明白である。適切な公的支援と効果的な政策があれば、その成果は個々の研究者、企業の生産性、英国の競争力に莫大な利益をもたらしうる。また、最近発表された大学の技術移転促進のための£1億の追加投資は知識交換の支援を後押しするよい例である。

 

報告における主要な勧告の一つは複雑さを減らすことだった。政府は産学連携のための公的支援の仕組みを単純化する必要がある、という勧告をイノベートUK(Innovate UK)が受け入れたことを嬉しく思うとともに、企業の最初のアプローチがどのようなものであっても、イノベートUKがガイド役として、産学連携につなげてくれるものと期待している。また、新設するUKRIはDowling Reviewの勧告に沿って産学連携支援を促進するものであり、BEISとUKRIの暫定理事長がそれを確認したことは喜ばしい。”と述べた。

 

Royal Academy of Engineering:Dame Ann Dowling welcomes government endorsement of business-university collaboration review

 

○英国高等教育財政会議(HEFCE:Higher Education Funding Council for England)
HEFCEは、政府が発表した産学提携に関するDowling Reviewに対する回答を、長期的な知識交換の実施を改めて約束するとともに、産学連携におけるHEFCEの高等教育イノベーション助成金(HEIF: Higher Education Innovation Funding)*の重要な役割を認めたものとして歓迎した。

 

* HEIFは、大学に専門家を置いて産業界や地域の優先課題に柔軟に対応できるようにすることで産学連携を促進するための助成金。2015年10月に、今後4年間で£1億の追加補助がある旨が発表されていたが、今回の政府の回答でその詳細が示された。

 

HEFCE:HEFCE welcomes the government response to the Dowling Review

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