【ニュース・イギリス】持続的な科学の成功(continued science success)のための明確な目標設定

2017年9月6日、欧州連合離脱担当省(Department for Exiting the Europe Union)は「将来のパートナーシップについての文書(future partnership paper)」において、英国とEUの将来にとって科学やイノベーションの連携が重要であると発表した。
本政府文書では、英国が今後EUと協議するべき将来の連携メカニズムや分野が提示されている。

 

ガレリオ計画やコペルニクス計画など、商用衛星航法システムや地球観測衛星の汎欧州プログラムに既に参加しているEU以外の国との協議分野について述べられている。英国における宇宙事業は英国経済に£118億以上の効果をもたらしており、37,000人以上の雇用を生み出している。
また原子力研究に関するプロジェクト、オックスフォードシャーに拠点を置くJET(Joint European Torus)や国際熱核融合実験炉(ITER:International Thermonuclear Experimental Reactor)についても計画が述べられている。EU加盟国ではない国々とも、例えばEUREKAネットワークや欧州原子核研究機構(CERN:Organisation européenne pour la recherche nucléaire)等の国際機関を通じて引き続き提携していくとし、その他、欧州医薬品庁やホライズン2020など、7,300人を超える英国人が参加者し、連携により成功している革新的な医学に関するイニシアティブについても含まれている。

 

大学・科学大臣のJo Johnson氏のコメント:

英国とEUの素晴らしいパートナーシップを継続していくことはお互いにとって利益になる。EUとの将来の連携のあり方についてオープンな議論を持つための英国側の要望を本報告書で明確に示した。
我々の産業戦略において、科学とイノベーションが核となっており、研究と開発に更に£47億の追加投資を行うことからわかるように、我々は常に新しい発見の最前線に位置し、今後もこの挑戦を欧州の仲間と共に続けていくことを望んでいる。

 

英国は科学とイノベーションの分野におけるリーダーであり、今回の報告書で我々は引き続き国際的な英知のハブであり続けたいとして、研究コミュニティーが今後も我々の高いレベルのスキルにアクセス可能にすることで、科学とイノベーションセクターをサポートしていくことを約束している。また、専門資格の認定システムについても、今後も引き続き協働していきたいと考えている。

 

GOV.UK:UK sets clear objectives for continued science success

 

【各機関の反応】

 

○王立協会(Royal Society)/Venki Ramakrishnan会長
政府はEUの研究イノベーションの一部であり続けることで多くの利点があることを認識しており、離脱後もEUとの親密な関係を維持するべき理由を明確にしている。文書ではEU科学界との親密な関係維持のための強い願望が現れており、その姿勢を歓迎する。

 

しかしこれはまだ第1歩であり、EUとの親密な連携を維持するためには更に様々な条件を整えていく必要がある。世界の科学界における英国の地位を脅かす不確実要素を取り除いていくことが必要である。ホライズン2020終了までの財政的支援の継続や、既に英国内で働いている高い技術を持つEUの研究者のステイタスの保障等についても早急に検討する必要がある。また、次期EU研究プログラムにも参加することを約束すべきであり、その計画の協議にも参加すべきである。優秀な人材をUKに迎えるための移民法の制定も必要である。

 

科学は常に国境を越えるものであり、EU離脱がその妨げになってはならない。政府により示された今回の文書はお互いにとってWIN-WINの結果となるように提案されており、これはほかの分野の交渉においても同様に前向きなものになる可能性を示している。

 

THE ROYAL SOCIETY:Royal Society response to science and innovation position paper

 

○英国大学協会(UUK:Universities UK)/Alistair Jarvis会長
英国政府がEU離脱後もヨーロッパのパートナーと引き続き研究とイノベーションの分野で連携していく姿勢を示したことを歓迎する。これらを実現する最も良い方法は政府が次回のEU研究イノベーションプログラムに関与し影響力を持つことである。
英国はEUの研究とイノベーションの分野において重要な役割を果たし、提携により多くの利益を生み、様々なネットワークのつながりを可能にしている。それにより研究者は世界の最高水準の専門家と共同で人生を一変させるような研究成果を生み出すことが可能となり、更には英国の経済、社会や個人に多くの利益をもたらすことになる。

 

Universities UK:Response to UK government position on Brexit and EU research&innovation collaboration

地域 西欧、EU
イギリス
取組レベル 国際機関レベルの取組、政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究、質の保証
人材育成 研究人材の多様性