【ニュース・アメリカ】マイノリティ学生受入大学におけるフルタイム学生の卒業率、連邦政府データよりも実際は高いことが判明

米国教育協議会(American Council on Education:ACE)の政策研究戦略センター(Center for Policy Research and Strategy)は、マイノリティ学生受入大学(Minority serving institution:MSI)における学生の在籍状況及び成果を検証した報告書「内幕の公開~マイノリティ学生受入大学における在籍状況と成果~(Pulling Back the Curtain:Enrollment and Outcomes at Minority Serving Institutions)」を発表した。

 

本報告書は、米国学生情報センター(National Student Clearinghouse)からのデータを使用して、MSIでの大学教育を2007年に開始した学生の在籍状況及び成果を検証した。今回の検証対象となった大学は、7種類に分類されるMSIのうち、(1)歴史的黒人大学(Historically Black College and University:HBCU)、(2)黒人多数派大学(Predominantly Black Institution:PBI)、(3)ヒスパニック系学生受入大学(Hispanic-Serving Institution:HSI)、(4)アジア系・米国先住民・太平洋諸島学生受入大学(Asian American and Native American Pacific Islander-Serving Institution:AANAPISI)の4種類である。これによると、MSI在籍学生の大半は、編入学生、一時期大学を離れていた学生、パートタイム学生など、非従来型学生であることや、MSIの卒業率は、フルタイム学生に限定すると、2年制・4年制大学ともに、連邦政府のデータが提示する割合よりも高いことなどが明らかにされた。それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 公立4年制HBCUの卒業率は43%で、フルタイム学生に限定すると62%。一方、連邦政府データが提示する卒業率は34.1%
  • 私立4年制HBCUのフルタイム学生の卒業率は66.7%。一方、連邦政府データによる卒業率は43.9%。
  • 公立4年制PBIの卒業率は34.1%で、フルタイム学生に限定すると約52%。一方、連邦政府データによる卒業率は16.6%。
  • 公立2年制HSIのフルタイム学生の卒業率は40.3%。一方、連邦政府データによる卒業率は25.5%。
  • 公立4年制HSIの卒業率は約50%で、フルタイム学生に限定すると74.1%。一方、連邦政府データによる卒業率は42.7%。
  • 公立4年制AANAPISIのフルタイム学生の卒業率は約88%。一方、連邦データによる卒業率は66.2%。

MSIでは、学生の成功を支援するための方針・実践を導入。具体的には、

(1) HBCUにおける学生同士のメンタリング
(2) PBIにおける学生支援センター・財務カウンセリングサービスの創設
(3) HISにおける高校との二重登録プログラムの創設及び教員に対する専門性開発の一環として学生の背景・ニーズを理解するための機会の提供
(4) AANAPISIにおけるリメディアル講座から大学レベルの口座へ移行する学生に対する支援

など。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
American Council on Education:PULLING BACK THE CURTAIN:Enrollment and Outcomes at Minority Serving Institutions[PDF:2.46MB]

 

2017年7月26日

 

HIGHER EDUCATION TODAY a blog by ACE:Minority Serving Institutions Perform Better Than Federal Graduation Rates Suggest

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アメリカ
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